診療症例

前十字靭帯断裂

運動中や散歩中に突然後ろ足を挙げたり、スキップするように歩く症状がみられることがあります。
一般的には運動量の多い中~大型犬で発症することが多いですが、小型犬で発症することもあります。

鑑別疾患として打撲や関節の脱臼、骨折等があります。また、前十字靭帯断裂に伴う半月板損傷の程度により、強い痛みを伴うことがあります。注意すべきは片方の足の前十字靭帯を断裂した場合、1~2年以内にもう片方の足にも発症する可能性が高いということです。

治療方法は犬種や体重、また関節の状態によって様々ですが、基本的には手術が必要となります。手術としてはナイロンやポリエステル製の糸を使用する方法と、骨を切り角度を調節することにより膝の関節を安定化させる方法(画像)と大きく二つに分けられます。比較的小柄で体重の軽い犬種に関しては保存療法が選択され、手術を必要としない場合もあります。それぞれに合った治療方法をご提案させていただきます。